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脳波測定の方法

脳波は脳内の電気活動が頭皮上に作る電位のことであると説明しました。 それは、頭皮上の電極と基準電極間の電位差として測定されます。


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被験者は電極のついた測定用のキャップをかぶります。 キャップに取り付けられた電極によって捕らえられた電位は、アンプ及びアナログフィルタを介した後に、AD変換機でデジタルデータに変換され、PCに記録されます。

脳波測定
脳波測定の概略図

では、各装置の役割を説明します。

アンプ

脳波は交流電源や筋電(筋肉が作る電位)、各種電磁波などに比べてとても小さな信号です。 したがってアンプで増幅しないと電位そのものが小さすぎるのです。

アナログフィルタ

測定した電位は、脳波だけでなく、他の様々な雑音が含まれています。 それらの雑音の影響でAD変換機の計測域を電位が超えてしまうのを回避する必要があります。 その役割を担っているのがアナログフィルタです。

AD変換機

測定された電位は当然アナログデータであるので、そのままではPCでは取り扱えません。 したがって、電位をデジタルデータに変換する必要があります。 その際に気をつけるべき点として、後に連続データへの復元が可能なのは、 サンプリング周波数の半分の周波数(=ナイキスト周波数)までとなります(サンプリング定理)。

測定上の注意点

脳波測定をする上での注意点を2つほど述べておきます。

ノイズ

脳波は非常に小さな信号であるため、ノイズの回避にはかなり気を使います。 まず、測定中は被験者は体を動かさないようにします。 さらに、可能ならば、被験者をシールドルーム等の中にいれるなどして静電遮へいをすることが好ましいです。 これにより、交流雑音等、外部のノイズも遮断することができます。

被験者の体調

そもそも測定は被験者の同意がない限り、行うことはできません。 測定中に被験者が体調不良を訴えたらすぐに測定を中止する必要があります。 実験のために、強制的に測定を継続させることがあってはなりません。


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電極の配置と名称

電極
国際10-20法

電極には、銀-塩化銀製の皿電極がよく使われます。 電極の配置は様々ですが、最も一般的なのは、国際10-20法と呼ばれる配置です(右図)。 この配置法の拡張版は様々であり、脳波計の製造メーカーなどにより様々なものが作られています。

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