HOME >脳の機能 >サブリミナル効果

サブリミナル効果

サブリミナル効果とは、ある情報をごくわずかな時間(ミリ秒レベル)だけ被験者に提示した場合に、その情報は、被験者の意識には上らないが、脳には確実に刷り込まれてしまい、その後の被験者の行動に何らかの影響を及ぼすことをいいます。この効果は、19世紀から現在にかけて、様々な科学者によって盛んに研究されています。

サブリミナル効果    サブリミナル効果    サブリミナル効果
10秒                0.001秒               10秒
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――→
時間軸

例として、上の画像を使って説明しましょう。 まずは、被験者に風景の画像を10秒間見せます。 次に、「おやつを盗み食いしたのは、おじいちゃん」と書かれた画像を0.001秒間だけ見せます。 最後に、再び、風景の画像を10秒間見せます。 すると、被験者は、風景の画像を20秒間見せられ続けたように感じます。 なぜならば、0.001秒程度の情報は被験者の意識には上ってこないからです。 しかし、被験者の脳には「おやつを盗み食いしたのは、おじいちゃん」という情報が刷り込まれてしまうのです。こうして、被験者は善良なおじいちゃんを疑うことになります。 つまり、人間が意識できない情報であっても、脳は確実にその情報を認識しているのだといえます。

脳にその情報が刷り込まれたという事実を示唆する次のような事例があります。 1957年、アメリカの映画館で、上映中に「コーラを飲もう」「ポップコーンを食べよう」 といった文字を5分おきに表示したそうです。 すると、この日のコーラとポップコーンの売上が伸びたそうです。


スポンサードリンク

サブリミナル効果は嘘?本当?

サブリミナル効果は嘘であるという説があります。 これを上記の映画館での事例をもとにお話ししましょう。 科学的にいえば、この映画館の事例のみから、サブリミナル効果の存在を証明することはできません。 なぜならば、コーラやポップコーンの売上が伸びた要因は 5分おきに提示した文字であるという因果関係を証明できないからです。 コーラやポップコーンの売上なんて他の要因でいくらでも変化します。 その日、気温が高かったために喉が渇いていたのかもしれませんし、 前日にポップコーンのテレビCMが頻繁に放送されていたのかもしれません。

しかし、脳科学者の多くはサブリミナル効果の存在を肯定しているようです。 私も同様です。 それは、脳科学や心理物理学の実験でも、サブリミナル効果の存在を示唆する結果の論文が存在するからです。 しかし、決定的な論文は存在しないのが現状です。


スポンサードリンク

スポンサードリンク