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哲学的ゾンビ

哲学的ゾンビ

ここに、一人の人間を構成するのに必要な分子があるとします。 さらに、その分子を使って人間をつくるための設計図と機械まであります。 (ちなみに、ドラえもんの道具に「人間製造機」というものがあります)

それでは、この機械を使って実際に人間をつくってみましょう。 出来上がった人間は、どこからどう見ても本物の人間です。

そりゃそうでしょう、だって、分子や原子のレベルで完璧に作り上げているのだから。 当然、言葉も話します。 「あ〜おなかすいたなあ。今日はカレーを食べよう」 「来週の期末テストやばいな〜、全然勉強してないよー」 と、どこからどう見ても普通の人間です。

では、果たしてこのように作られた人間はクオリアをもっているでしょうか? 意識というものは果たしてあるのでしょうか。

しかし、それは本人以外には決してわかりません。 「クオリアはあるの?意識はあるの?」 と本人に問いただしたとしても、 「何をいっているんだバカだな〜、あるに決まってるじゃないか。 僕は分子や原子のレベルで完璧に作られた人間なんだよ。物理的には君たちと全く同じなんだよ?」 と言うでしょう。

しかし、本当にクオリアを感じているのかは確かめようがないです。 もしも仮に、このように人工的に作られた人間が、人間として完璧な振る舞いをしているのにもかかわらず、クオリアや意識は生じていなかったとすると、それを哲学的ゾンビといいます。

みなさんも一度は考えたことがあるのではないですか?
自分以外の人間は精巧につくられたロボットなんじゃないのかって。

ちなみに、脳科学や哲学とは全く関係のない話ですが、あがり症の人が自分以外の人間はみな哲学的ゾンビなんだと思いこむようにすると症状が改善されるそうです(笑)


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