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マリーの部屋

マリーの部屋
originally wrote by Alexander Wivel and modified the cartoon style little.

マリーの部屋とは、オーストラリアの哲学者フランク・ジャクソンが考えたクオリアについての思考実験である。 スーパー科学者マリーは物理知識は何でも知っている。 人間の脳内の神経細胞の構造や配置から、人間が赤いリンゴをみたときにどのような電気信号が脳内に流れるのかまで知っている。

しかし、マリーは生まれたときからずっと白黒の部屋で過ごしてきたのだ。 部屋の壁紙も白黒であり、テレビも白黒である。 自分の体さえも白黒なのだ。 だからマリーは一度も色というものを見たことがないのだ。

もちろん、マリーは「色」についても何でも知っている。 ある波長の光が人間の眼球に入ったとき、それが電気信号として脳の視覚野に運ばれ、 さらに言語野が活動して「赤い」という命令を電気信号として喉や口の筋肉へ伝える。 その結果、空気が振動する(「赤い」という声が発せられる)。 といった具合にマリーの知識は完璧なのである。

では、このマリーが白黒の部屋から初めて出たときに何かを学ぶだろうか? もしも、何かを学ぶとしたらそれはクオリアであり、物理的な事象ではないということになる。 なぜならば、マリーはすべての物理知識を備えているからだ。

つまり、その場合、意識やクオリアのすべてを物理現象として説明できるとする物理主義は間違いとなる。


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