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脳分割実験

脳と意識が密接な関係にあるのは疑いにくい。 しかし、具体的に脳のどの部分がどのように意識を生みだしているかだなんて全くわかっていない。 そこで、ある思考実験を試みたい。


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まず、人間の脳から脳細胞をひとつ取り出してみよう。 取り出した神経細胞はただの細胞でしかない。 そのひとつの神経細胞に意識が宿っているとは考えにくい。 では、残された脳はどうだろうか。 そりゃあ、意識はあるでしょう。 神経細胞がひとつなくなったくらいで意識がなくなるはずがない。 なぜならば、脳は億単位の数の神経細胞でできているからだ。 常に神経細胞は分裂して増殖し、一方では、死んでいく。 我々の脳内ではそのような神経細胞の生死が常に繰り返されているんだから、 神経細胞をひとつ取り去った程度で意識がなくなるはずがない。

では、今度は10個取り去ってみよう。 10個程度ならまだ余裕だ。
100個取り去ってみよう。 まだまだ大丈夫そうだ。

では、もういっそのこと脳を真っ二つにしてみよう。 すると、私の意識は取り去った方か残された方かのいずれかにいるはずだ。 どちらか一方にいるはず。 ここでは、私の意識は残された方に存在したとしよう。

では、取り去った方の脳にも新しい体をくっつけてあげよう。 すると、この「私ではない方の脳」は動くし、しゃべる。 「あー、真っ二つにされて痛かったー。それにしても、この新しい体は筋肉質ですごいパワーがあるねー」 だなんてしゃべるだろう。 それは当たり前だ。 脳としての機能は死んでいないのだから、体をつけてやれば人間としてちゃんと機能する。 (言語野がなければしゃべれないだろ!!というツッコミはなしで。)

で、この人って誰???
「私」は残された方の脳にいるんです。
この新しい体をつけてあげたほうの脳ってだれなの???

この脳はクオリアを感じている?
それとも哲学的ゾンビ?


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