決定論とは

決定論

決定論とは、この世のあらゆる出来事は、その直前の出来事によってのみ決定されるという考え方のことです。 また、人間の思考や意識を含め、この世のすべてのものは物理法則に従っており、そのため、 未来も決定しているという言い方もできます。

決定論の考え方は、非常に簡単です。 ビリヤードを使ってわかりやすく説明します。

ビリヤードは、最初に球を打つ時の強さ、位置、角度と台や球の摩擦係数などの物理変数によって、どの球が落とされるのかがすべて決定されます。 すなわち、最初に球を打ったときに、数秒後にどの球が落ちるのかは完全に決定されるのです。


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では、ビリヤード台の上にもっと大量の球を置いてみましょう。 球が1000兆個あったとしても、やはり、最初に球を打ったときにその後どうなるのかは完全に決定されます。

1000兆個よりももっと球を増やしてみましょう。 台の上に球を増やしているうちに、球同士がぶつかり合い一つの宇宙ができてしまいました。 そこには星もあり、人間も住んでいます。 ビリヤードの球でできた星や人間です。

この一つの宇宙となったビリヤード台でビリヤードをしてみましょう。 この場合もやはり最初に球を打ったときにその後のすべてが決定されます。 球でできた人間たちの思考も含め、すべてが決定されるのです。

これが決定論です。

我々の宇宙だって、"分子や原子からなる超複雑なビリヤード台"でしかないのです。 したがって、我々がどんなことを考え、どんなことを悲しみ、 どんな人生を送るのかは宇宙が誕生した瞬間に完全に決定されているのです。


しかし、この決定論に待ったをかけるのが量子論です。 量子論(量子力学)では、物質の状態は観測するまではあらゆる状態が重ね合わせの状態で存在しており、それは確率でしかわからないとされています。 つまり、ビリヤードの球を打った瞬間には、その後がどうなるのかは完全には決定されず、 Bの球が落ちる確率40%、Cの球が落ちる確率60%といったように、その後どうなるのかは確率でしか語れなくなるのです。

かといって、量子論によって決定論が完全に潰されたわけではありません。 これは量子論のコペンハーゲン解釈であり、他にもさまざまな解釈が存在します。

個人的には、決定論を信じていますが、ロマンがないと思いますね。 未来が決定しているだなんて・・・。 こんな風に考えることすら決定していたとは・・・。


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