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脳科学の大学院受験・進学ガイド

大学院受験・進学

脳科学を専門にしている大学の学部学科は存在しません。 脳科学者の多くは、大学院以降に脳科学を始めています。 したがって、脳科学を勉強・研究したい人は適切な大学院進学が重要となります。 ですから、 大学の学部で脳の勉強をしていなかったからといって、それを危惧する必要は全くありません。

大学受験とは異なり、大学院受験は情報が極端に少ないので、 このページを参考にして失敗のない大学院進学をしていただけたら幸いに思います。


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大学選び 国立?公立?私立?

基本的に、日本全国の大学院は、他大学からの進学を受け入れています。 しかし、現実には、他大学からの進学実績が少なく、なおかつ、他大学からの進学に対して好意的ではない大学(研究室)は存在します。 それは私立大学に圧倒的に多いといえます。

私立の大学院では、自身の大学からの進学がほぼ全てであるということは珍しくありません。 私立の大学院に他大学から進学する場合、指導教員とのコネがある場合がほとんどです。

一方、国立や公立の大学院は他大学からの進学に対して非常に寛容です。 特に、東京大学(柏キャンパス)や東京工業大学(すずかけ台キャンパス)では、 他大学からの進学者のみで研究室が構成されているということも珍しくありません。

したがって、よほどその研究室でしかできない研究内容だったり、 進学先の指導教員と特別なコネがない限り、国公立大学の大学院への進学をお勧めします。

研究室選び 指導教員との相性

指導教員

大学院進学で最も重要となるのは研究室選びです。 大学院では入試の願書に志望研究室(指導教員)を記入します。 ここが、人生の分かれ目となるといっても過言ではありません。

一番危険なのは、研究内容だけで研究室を選んでしまい、指導教員との相性を考慮していない場合です。 どんなにその研究室の研究内容や研究設備が魅力的であっても、 指導教員に魅力を感じない場合は、その研究室への進学は断念したほうがよいです。 それくらい指導教員は重要です。

ですから、必ず研究室訪問をして指導教員と直接話してください。 研究室訪問をする際には、研究室や指導教員のHPの情報を見てから、 指導教員に研究室訪問をしたいという要旨のメールをします。 時間的な都合を除いて、研究室訪問を拒否する教員はいないでしょう。

ただし、国公立大学の場合、入試説明会を開催することが多いので、そのときに研究室訪問をするという手もあります。 その場合は事前にメールをせずとも、訪問の時間を設けてもらえることがあります。

いずれにせよ、必ず事前に指導教員との相性を確かめておくべきです。 指導教員との関係がうまくいかずに、大学院をやめてしまう人もいれば、中には人生をやめてしまう人もいます。 私はそのような人たちを数多く見てきました。

ですから、有意義な大学院生活を送るためにも指導教員選びには十分注意しましょう。

受験勉強のコツ

大学院入試では、大学や研究科によって出題内容に大きなムラがあります。 これは、どこも似たり寄ったりの問題が出題される大学受験とは大きく異なります。

したがって、受験する大学院ごとに対策を練る必要があります。 各大学の学部での授業内容に沿って入試問題が作成されることが多いため、この点では他大学の学生は不利になります。

ですから、まずは過去問を手に入れることからスタートしましょう。 多くの大学では、過去問は研究科や専攻のHPや大学生協などで手に入れることができます。 HPに過去問の情報が記載されていない場合は、その大学の入試課に問い合わせてみるとよいでしょう。

大学院受験では、基本的に自学により試験に挑むことになります。 また、大学院入試のレベルになると、その内容を理解できる人間は限られてくるため、 できるだけ多くの受験仲間をつくるとよいでしょう。

大学受験では、予備校や塾の講師に質問をすれば大抵の問題は解決するでしょう。 しかし、大学院入試の問題を理解している人はその専門の大学教授や大学院生くらいしかいません。 したがって、受験仲間同士で教え合うことが合格の近道となります。

大学院受験は過去問の対策をすることにつきますが、 もしも時間的に余裕があるのならば、サイエンス社から発売されている大学院入試問題集を解くとよいでしょう。 一般的な内容になりますが、解説付きなので大変価値のある参考書です。

過去問と大学院入試問題集さえ理解しておけば大丈夫でしょう。 また、英語の試験はTOEICやTOFLEであることが多く、スコア表の提出を受け付けている場合があります。 しかし、専門科目に対して英語は短期的に点数を伸ばせるものではないので、あくまでも専門科目の対策を優先してください。 英語はTOEIC400点程度の人でも東京大学や東京工業大学などの有名大学院に合格している人はいくらでもいます。 (TOFLEの試験を課すものの、合否には関係ないという噂のある専攻も存在します) したがって、「とにかく専門科目優先、余裕があれば英語も勉強する」という方針で学習しましょう。

また、筆記試験だけでなく、面接試験(口述試験)が行われます。 聞かれる内容は、「なぜこの研究室を選んだのか?」「どんな研究をしたいのか?」「修士課程修了後は博士課程に進学するつもりか?それとも就職するつもりか?」 「いま卒業研究ではどのようなことを行っているのか?」などはほぼ確実に聞かれます。 私の経験では、「今までに行った学生実験をひとつ説明してください」といったものもありました。 また、研究室訪問をしていない場合、なぜ事前に訪問をしなかったのかと聞かれることもあるようです。


大学院の受験勉強     
大学院受験のコツをまとめると、

1.大学院ごとに過去問を中心に勉強する
2.受験仲間を作って教え合う
3.専門科目を優先して、英語は余裕があれば勉強する
4.面接試験で確実に聞かれる質問の準備は完璧にしておく


です。頑張って合格しましょう!!

大学院受験・進学スケジュール

多くの大学院は試験日が7〜9月であることが多いので、ここでは8月を試験日として想定したスケジュールとします。 試験勉強の期間は人それぞれですが、大学の定期試験(1〜2月頃)が終わったころにスタートして、 4月頃から本気を出す人が多いようです。 個人の能力やそれまでの学習状況によりますが、一般的にそれくらいの時期から対策を始めれば十分に合格できます。

注:下記のスケジュールはサンプルであり、説明会や試験日は大学院ごとに異なります。


学部3年 12月 HPを参考にして志望研究室をピックアップ
       1月 定期試験
       2月 過去問入手、試験勉強開始
       3月 研究室訪問
学部4年  4月 入試説明会、願書入手
       6月 願書提出
       8月 試験本番&合格発表

       3月 入学手続き
修士1年  4月 入学


合格後に指導教員や研究室の先輩から、見学や飲み会などの誘いがある場合があります。 早めに研究室に慣れたければ、できるだけ誘いは断らないほうがよいでしょう。


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